相談事例

大分の方より相続に関するご相談

2026年01月06日

Q:相続人でもある母は認知症です。相続手続きの進め方を司法書士の方に伺います。(大分)

闘病生活の末、大分の父が亡くなり、先日大分の斎場で葬式を行いました。母と私と弟の3人が相続人です。父の相続財産は、大分の自宅と大分郊外にある小さな空き地と預貯金が500万円ほどでした。遺産分割をしたいのですが、実は母が認知症を患っているため、話し合いといっても実質弟と二人の意見になってしまいます。母は、調子のいい日でも「お父さんはどこ?」などと言っていて、父が亡くなっていることも把握してないように思います。署名や押印は出来るかもしれませんが、押印や署名の意味まではわかっていないと思います。このままでは相続手続きが滞ってしまいます。昨今の日本では認知症は珍しくないと思いますが、世間一般的に、相続人の中に認知症患者がいる場合の相続手続きはどのようにしているのでしょうか。(大分)

A:一般的には、相続人の代わりとして成年後見人を家庭裁判所から選任してもらう方法があります。

ご家族だからと、認知症の方に代わって相続手続きを行うことはできませんので、このような場合には「成年後見制度」を利用する方法があります。
認知症、知的障害、精神障害などで意思能力が十分ではない方々を保護する目的で設けられた制度が成年後見制度です。認知症などによって、判断能力が不足しているとみなされた場合には、契約事や遺産分割などの「法律行為」を行うことは禁止されています。この場合、民法で定められた方が、家庭裁判所に「成年後見人」の申立てをすることで、家庭裁判所が相応しい人物を選任します。選ばれた成年後見人が遺産分割を代理することで、相続手続きを進めることができます。
成年後見人はだれでも選任される可能性がありますが、以下の者は対象外です。

  • 未成年者
  • 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
  • 破産者
  • 本人に対して訴訟をした又はしている人、その配偶者、その直系血族
  • 行方の知れない者

なお、成年後見人には、専門家が選任される場合や、複数名が選ばれることもあります。そもそも現行の法律では、成年後見人は一度選任されると、対象の方がお亡くなりになるまでその役割が続くことになり、もし、専門家が選任された場合には、報酬の支払いが続くことになります。
したがって、今回の相続手続きのためだけではなく、その後の生活にも必要かどうかを考えて活用するようにしましょう。

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